売上だけを見ていると利益を見誤る
物販でいちばん多いつまずきは、売上をそのまま儲けだと思ってしまうことです。実際に手元に残るのは、売上から販売手数料・送料・仕入れ代・梱包材代などを引いた金額です。手数料率は販路ごとに違い、改定されることもあるため、感覚のままだとずれが少しずつ積み重なっていきます。
とくに見落としやすいのが送料と梱包材です。安い商品ほど送料の割合が大きく、売れたのに赤字というケースも起こります。封筒や緩衝材のような細かい支出も、月にまとめると意外な金額になります。
- 売上と手取りは別物。引かれるものを把握してはじめて利益が分かる
- 手数料率は販路ごとに違い、変わることもあるので毎回確認する
- 低価格帯の商品は送料の割合が大きく、赤字になりやすい
- 梱包材などの細かい支出も積み重なると無視できない
手取り利益の計算で引くものを決める
計算の基本はシンプルで、「売れた金額 −(販売手数料 + 送料 + 仕入れ代 + 梱包材代)= 手取り利益」です。まずは自分の販売スタイルで何を引くべきかを書き出して、引く項目を固定してしまいましょう。項目が決まれば、あとは数字を埋めるだけになります。
仕入れ代は、ハンドメイドなら材料費、せどりや中古販売なら仕入れたときの金額です。1点ごとの仕入れ値が分からなくなりがちなので、仕入れた時点でメモしておくのがいちばん確実です。あとからレシートの山と突き合わせるのは、想像以上に時間がかかります。
送料は出品者負担なのか購入者負担なのかで扱いが変わります。出品者負担なら必ず引き算に入れること。発送方法によって金額が違うので、実際に支払った金額を記録するのが基本です。
- 売れた金額 −(手数料+送料+仕入れ+梱包材)= 手取り利益
- 引く項目を先に固定して、計算を考えなくていい状態にする
- 仕入れ値は仕入れた時点で1点ずつメモしておく
- 出品者負担の送料は、実際に支払った金額で記録する
商品1点ずつ記録すると見えてくるもの
月の売上をまとめて眺めるだけでは、「どの商品で儲かり、どの商品で損をしたか」が分かりません。利益計算は、商品1点ごとに行うのが基本です。商品名・売れた日・売れた金額・手数料・送料・仕入れ値・手取り利益。この7項目を1行に並べるだけで十分です。
記録がたまると、手間のわりに利益が薄い商品や、送料で損をしやすいサイズといった傾向が見えてきて、出品価格や仕入れの判断が変わっていきます。
記録のタイミングは「売れたらその場で」がおすすめです。発送準備のついでに1行書くだけなら1分もかかりません。月末にまとめて思い出そうとすると、送料や値下げの経緯があいまいになってしまいます。
- 商品名・売れた日・売上・手数料・送料・仕入れ値・手取り利益の7項目
- 1点ずつの記録から、利益の薄い商品や損しやすいパターンが見える
- 売れたらその場で1行、発送準備のついでに書く
複数販路の合算と、売れ残り在庫の把握
フリマアプリとハンドメイドマーケットなど、複数の販路で売っていると、それぞれの管理画面を見るだけでは全体像がつかめません。販路ごとに手数料率も振込のタイミングも違うためです。1点ごとの記録に「どこで売れたか」の欄を足しておけば、あとから販路別に集計でき、全体の手取りも一覧で分かります。
もうひとつ忘れがちなのが、まだ売れていない在庫です。仕入れたのに売れ残っている商品は、すでにお金が出ていった状態です。手元に何が何点あり、仕入れにいくら使ったままになっているかを一覧にしておくと、仕入れすぎのブレーキにもなります。
- 記録に「販路」の欄を足して、あとから販路別に集計できるようにする
- 販路ごとの手数料や入金タイミングの違いは記録で吸収する
- 売れ残り在庫は「出ていったままのお金」。品名・点数・仕入れ額を一覧に
確定申告前にあわてないための整理
販売がある程度の規模になると、確定申告が必要になる場合があります。そのときに求められるのは、1年分の売上と経費の集計、そして年末時点で残っている在庫の把握です。日々1点ずつ記録していれば、この作業は集計するだけで終わります。逆に記録がないと、1年分の取引履歴とレシートを掘り起こす大仕事になります。
ただし、申告が必要になる条件や、何をどこまで経費にできるかは、収入の種類や金額、その年の制度によって変わります。この記事の内容は一般的な整理の方法にとどまるため、実際の申告にあたっては国税庁などの最新の公的情報を確認するか、税理士など専門家に相談してください。
- 日々の1点ごとの記録が、そのまま申告前の集計資料になる
- 年末時点の売れ残り在庫の一覧も合わせて残しておく
- 申告の要否や経費の範囲は人によって違う。公的情報や専門家で確認を
アプリで管理する場合
ここまでの記録は、ノートやスマホのメモ、Excel でも始められます。まずは後述のテンプレートのような一覧表で、7項目を埋める習慣をつくるのが第一歩です。
手書きや表計算の管理が続かないと感じたら、物販向けの記録アプリを使う方法もあります。たとえば SellerNote は、商品1点ずつ仕入れ値・手数料・送料を記録して手取り利益を自動で計算し、売れ残り在庫もあわせて見える化できるアプリです。計算と集計を任せられるぶん、記録そのものに集中できます。自分にとって続けやすい道具を選ぶことが、いちばんの近道です。
- まずは紙や Excel の一覧表で、1点ずつ記録する習慣をつくる
- 計算と集計まで任せたいなら、SellerNote のような物販記録アプリも選択肢
- 道具の優劣よりも、自分が続けられるかどうかで選ぶ