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職場の安全管理更新日 2026年6月10日・7分で読めます

事業者向けアルコールチェック記録の残し方

社用車で営業や配送に出る前に、ドライバーの酒気帯びを確認して記録に残す。多くの事業者にとって、アルコールチェックは日々の業務に組み込むべき安全管理のひとつになっています。とはいえ、いざ始めてみると「何をどこまで記録すればいいのか」「確認者がいない早朝はどうするのか」と迷う場面が少なくありません。

この記事では、社用車を使う事業者向けに、運転前後のアルコールチェックを記録して保存する実務的な考え方を整理しました。記録に残す項目から、直行直帰や早朝・深夜の運用、抜け漏れを防ぐ仕組み、保存と見返しの形まで扱います。

なお、安全運転管理者制度の対象となる事業者の範囲や、記録・保存の具体的な要件は、法令や運用の見直しによって変わることがあります。この記事で紹介するのはあくまで一般的な運用の考え方です。対象範囲や保存年数などの最新の要件は、警察庁などの公的情報や専門家に必ず確認してください。

アルコールチェック記録が求められる背景

社用車を使う事業者には、ドライバーの酒気帯び確認と、その結果を記録して残すことが広く求められるようになっています。背景にあるのは、飲酒運転による事故を運転者個人の注意だけに任せず、事業者の管理で防ぐという考え方です。チェックを行うことそのものに加えて、「確認した事実が後から分かる形で残っているか」が問われます。

記録は、万一の事故や監査の際に、日々の確認をきちんと行っていたことを示すよりどころになります。逆に、確認はしていたのに記録がない、記録はあるのに項目が足りない、という状態では、運用していなかったのと同じ扱いを受けかねません。まずは「記録に何を残すか」を固めることが出発点です。

記録に残す基本の項目

アルコールチェックの記録は、後から見返したときに「いつ・だれが・どの方法で確認し、結果がどうで、だれが確認したか」が一目で分かることが基本です。運転前と運転後のどちらの確認なのかも、区別して残しておきましょう。

確認方法の欄は、アルコール検知器を使ったかどうかに加えて、対面での確認か、電話などの対面に準ずる方法かを書き分けられる形にしておくと、直行直帰の日もそのまま運用できます。結果は「酒気帯びの有無」をはっきり残し、検知器の数値や気づいた点があれば備考に添えます。

  • 確認した日時(運転前・運転後のどちらの確認か)
  • 運転者の氏名と、使用した車両
  • 確認方法(検知器の使用の有無、対面か電話等か)
  • 酒気帯びの有無という結果
  • 確認者の氏名と、必要に応じた指示事項

確認者が不在の時間帯・直行直帰の運用

早朝の出発や深夜の帰着、現場への直行直帰など、確認者がその場に立ち会えない場面は必ず出てきます。ここでつまずくと記録が虫食いになりやすいので、「不在のときはこうする」という代替の手順をあらかじめ決めておくことが大切です。

一般的には、ビデオ通話で顔色や応答の様子を確かめながら検知器の結果を報告してもらう、電話で声の調子を確認しつつ測定値を申告してもらうといった、対面に準ずる方法が用いられています。どの方法で確認したかも記録に残しておくと、後から運用を説明しやすくなります。

また、確認役をひとりに集中させないことも重要です。代わりに確認できる人をあらかじめ決めて一覧にしておけば、休暇や出張のときも運用が止まらず、現場も迷いません。

  • 不在時の代替手順を決めて、文章にして共有しておく
  • 電話やビデオ通話など、対面に準ずる方法で応答の様子と結果を確認する
  • どの方法で確認したかも記録に残す
  • 代わりに確認できる人を複数決めておく

記録の抜け漏れを防ぐ仕組み

アルコールチェックの記録でいちばん多いつまずきは、悪意のない「書き忘れ」です。チェック自体はしていても、忙しい朝に記入が後回しになり、そのまま抜けてしまう。これを防ぐには、確認と記入をひとつの動作にまとめてしまうのが効果的です。

たとえば、検知器を置いた場所に記録表とペンをセットで置く、車両の鍵の受け渡しと記入を同時に行う、出発前の点呼の流れに組み込む、といった工夫です。さらに、週に一度は記録表を見返して空欄がないかを確かめる役割を決めておくと、抜けたまま放置されることがなくなります。

  • 検知器・記録表・ペンを同じ場所にセットで置く
  • 鍵の受け渡しや点呼など、必ず通る動作に記入を組み込む
  • 週に一度、空欄がないかを確認する担当を決める
  • 抜けが見つかったら責めずに、仕組みの側を直す

保存期間を決めて、見返せる形にする

記録は取って終わりではなく、決めた期間きちんと保存し、必要なときにすぐ取り出せる状態にしておくことが大切です。保存する年数は社内ルールとして明文化し、月ごとにまとめてファイルする、年度ごとに保管場所を分けるなど、後から探しやすい形を決めておきましょう。

ためた記録は、ふだんの安全管理にも活かせます。特定の曜日に記入漏れが集中していないか、特定の車両や時間帯に運用のほころびがないか。月に一度ざっと見返すだけでも、チェックが形だけになることを防げます。なお、保存期間を含む要件は見直されることがあるため、公的情報を定期的に確認する習慣も持っておくと安心です。

記録表やアプリで運用を整える

運用を始めるには、まず項目のそろった記録表を用意するのが手早い方法です。アルコールチェック記録表テンプレートには、日時や確認方法、結果、確認者といった基本の項目をまとめてあります。印刷して点呼の場所に置けば、その日から運用を始められます。

拠点が多い、直行直帰が多いといった事情があれば、スマートフォンのアプリで記録する方法もあります。記録した時刻が自動で残り、集計や見返しもしやすくなるので、紙での運用が定着してきたタイミングで移行を検討するのもよいでしょう。

  • まずは記録表を印刷して、点呼場所に置くところから始める
  • 直行直帰が多い場合は、アプリでの記録も選択肢になる
  • 紙でもアプリでも、残す項目と確認の手順は同じに保つ

よくある質問

アルコールチェックの記録は、紙とデータのどちらで残すべきですか。

どちらでも構いません。大切なのは、いつ・だれが・どの方法で確認し、結果と確認者がだれかが分かる形で残り、決めた期間きちんと保存されていることです。紙なら紛失と書き忘れに、データなら誤って消さない管理に、それぞれ気を配ってください。

確認者が不在の早朝や深夜は、どうやって確認すればよいですか。

電話やビデオ通話などで応答の様子を確かめながら、検知器の結果を報告してもらう「対面に準ずる方法」が一般的に用いられています。あわせて、副安全運転管理者や補助者など、代わりに確認できる人をあらかじめ決めておくと運用が止まりません。

記録は何年保存すればよいですか。

保存期間を含む具体的な要件は、法令や運用の見直しで変わることがあります。この記事では断定を避けますので、警察庁などの公的情報や専門家に最新の要件を確認したうえで、社内ルールとして保存年数を明文化しておくことをおすすめします。

直行直帰のドライバーが多く、記録が抜けがちです。どうすればよいですか。

出発前に必ず電話やビデオ通話で確認する時間帯を決める、確認した側がその場で記録するなど、確認と記入をひとつの流れにまとめるのが効果的です。週に一度、記録の空欄を確かめる担当を決めておくと、抜けたまま放置されることを防げます。

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